Interview

スノーボードで行く旅の面白さ。中山二郎

同い年の彼と初めて旅をしたのは、DVD"信越"の撮影だった。その後、何度か一緒に旅をしたが、集合場所が山奥の雪洞の中だった事もあった。二郎君・GREEN.LABクルーの旅は、臨機応変で進むスノーボードでの冒険。僕もそんな旅にタイミングが合えば同行する事が多い。彼の旅感と、そして今作の舞台・八甲田の印象などを聞いてみた。

ロープウェー降り場での中山二郎
若かりし時の中山
━━━二郎君は何処の出身?
  • 生まれた時から、生粋の長野・菅平っ子。菅平は標高が1500mで、冬は-30℃近くいく時もあるけど、人間居る場所に体は慣れちゃうもので、菅平に生まれて、ここの生活が嫌じゃなかったから、ラッキーだなって感じかな。小さい頃から兄さんと雪山で遊んで、スノーボードを始めて、ただ面白くて続けて、それが大人になってもハマる遊びで、今まで来ちゃったみたいな。今回のインタビューのテーマ・旅でいうと、ここも普通の人からすれば現実的な場所じゃないかもね。

━━━二郎君にとって、スノーボードでの旅の面白さってどんな所にある?

  • やっぱり新天地を求めて行くっていう所。何があるか分からないっていう興奮とワクワク、喜びかな。それと、旅に出る仲間によっても面白さは変わるよね。若い子と行くと凄い滑るし、オッサン達と行くと、違った時間の使い方になるし、そこも面白いかな。後は、向こうで会う人とか、色々な出会いはひとつの楽しみだったね。滑りに行く以外で、旅のメインだったかも。
八甲田ローカルとの飲み会

2010八甲田ローカルの家で、(左)中山二郎

━━━旅において、出会いって必然的にあるものだよね。
  • そう。そこのローカルと仲良くなった方が、気持ちよくスノーボード出来たりとか、オススメのお店を紹介してくれたりするし、そういうのが良い。その楽しさが+アルファ。人に会いに行くっていうのも結構あるかも。だから同じ場所に通うっていうか、徐々に行くと、長く楽しみが続くよね。何度も同じ場所に行く方が、土地勘がついてくるし、山が晴れる年とか、雪が多い年とかコンディションの違いも分かる。後、出会った人に『また来たのか!』って部分でも楽しめる。(笑)

━━━二郎君達は、旅の中にブランドの宣伝や板のテストも兼ねてというのもあるよね。

  • それもある。スノーボードだけで長期間旅にでてると『また、遊んで』っていう感じになったちゃうけど、GREEN.LABを持っていると、1割仕事、9割遊びなのに、『板売り込みに行きます!!』っていう大義はおかげで出来たね。(笑)ブランドを作ったおかげで、人に会いに行けるっていうのもあるし、好きな物を作って、その楽しさを伝えるツールとしてGREEN.LABは良い繋がりを作ってくれたから、作って良かったと思ってる。

━━━今までスノーボードでどんな所へ行ったの?

  • 北海道、八甲田、岩手、山形、長野、群馬、新潟、富山、岐阜、鳥取の大山とかかな。

━━━二郎君達の旅って普通じゃない旅をしてるよね。テント泊とか北海道で合流したときは雪洞の時もあったよね。

  • あの時ね、勢いあった(笑) GREEN.LABクルーは、割と行き当たりばったりの旅が多いかも?情報集めてから動くってパターンもあるけど、急に予定が変わったりとか、ノリで行く時もある。

 

中山二郎旅の思い出

━━━八甲田はどんな経緯で訪れる事になったの?

  • 以前、数年間東北の八幡平に通っていた時に、松川温泉で、撮影に来ていた亮馬君がいて『来年行くよ』って言ったら『来てよ』って言ってくれて、その年、八幡平で良い撮影が出来たから、じゃぁ次は八甲田だって決まって。次の年の1月に『青森に来たから』って亮馬君に電話して。
 
マッシュを飛ぶ中山

東北 somewhere Photographer:Hi-see

 
━━━亮馬君と初めて会った場所が松川温泉?

  • そう。以前、長野で滑ってた時に、見た事があったけど、面識があった訳ではなかったし。青森で電話した時に、亮馬君がいてくれて良かったよ。(笑) いなかったら、自力であの広い八甲田を開拓しないといけなかったから。。かなりの押し掛けの旅だった。そんな旅にバブルスさん(丸山隼人)も誘ったりしてね。(笑) そんな感じで始まって、八甲田は3〜4年通ったよね。

━━━二郎君の八甲田山の印象はどんな感じ?

  • 数年通ったけど山が見えたの少ないから、いい日を当てようと思うと、長く居ないと当てれない場所。何回も通うとか、オカケンみたいに長く居ないとっていう、手強い印象かな。そして、ハイシーズンはテクニカルな山だよね。風で出来る、あそこのウインドリップは普通じゃない。真っ正面にあったりするし、いきなり落ちるとか。天気も地形もいろんな意味で難しいけど、上から下までの変化は面白い。全体的に特殊な場所って感じかな。
 
八甲田待合室で
━━━八甲田で記憶に残ってる事とかある?
  • 八甲田で面白いのは、ロープウェー待合室のストーブまわり。あのストーブの周りっていうのが、八甲田の全てなんじゃないかなって思うよね。絶対にいる人達がいて、年寄りのスキーヤーとか、あそこで暖まりながら、コッチこうだとか、アッチどうだとか。あの場所は、八甲田の良さを凝縮してる。みんなの情報交換場所があるっていうのは面白い。

━━━最後に、八甲田に行ってみて、二郎にとって八甲田はどんな場所だった?

  • やっぱり景色が印象的かな。八甲田って全面山だよね。だから良いんだろうな。ある意味不親切っていうか、危ないって分かるし、感じる事が出来るから。白馬、野沢、八幡平と同じように、八甲田山も日本が誇る山のひとつだよね。誰が行っても感動出来る場所だし。チラリズム的な、なかなか全部を見せてくれないのは神秘的だよね。あっ、それと津軽弁。あの人を油断させるような雰囲気の、あの言葉が良いな。(笑)

━━━ありがとう。

中山二郎

中山二郎
長野菅平がホームマウンテン。彼の所属するGREEN.LABは、間伐された木を使いスノーボードのウッドコアを作る。自然派・純国産ブランドである。ゆきめぐりの撮影と2010撮影の撮影に参加。 
 
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