WISH 齊藤さんインタビュー
齊藤さんは八甲田のローカルでもあり、青森市にあるスノーボードショップ"WISH"のオーナーでもある。八甲田で顔を会わすにつれ、自然と話をするようになった。色々話を聞いて面白かったので、今回正式にインタビューさせていただきました。齊藤さんの、WISHの歴史。そして八甲田について聞いてみた。
━━━齊藤さんがWISHを始めて何年目ですか?
- 僕が店に立つようになってもう22、23年目とかかな。お店自体はもっとやってるけどね。僕、2代目なんですよ。この店、親父が始めたんで。それからだと40年近いんじゃない。
━━━長いですね。最初からスノーのお店だったんですか?
- 最初はスキューバーダイビングのショップでしたね。ウチの親父は遊ぶの好きだから、色々やってたんですよ。ハングライダーとか、ウインドサーフィンとか。それで、ウインドサーフィン仕入れていた会社が、バートン東日本の代理店になったんですよ。それで入って来たのかな。スノーボードが日本に入って来た時に、すぐにウチは始めましたね。
ウィンドサーフィンにハマっていた頃の齊藤さん
━━━齊藤さんもその頃スノーボード始めたんですか?
- その頃、ウチのショップはウィンドサーフィン凄い売っていて、僕は高校入ってウィンドサーフィンずっとやって、卒業して1年間ずっとマウイにいたんですよ。ウインドサーフィンのメッカなんで。それで帰って来たらウチの親父がスノーボードを『コレ、面白いよ』ってもうやってた訳。(笑)それで夏は海行くけど、冬はやる事無いじゃん。それで僕もやってみようって始めたのかな。
━━━それで、八甲田にスノーボードを持って、滑り始めたたんですか?
- そうそう。基本的に青森市内だから、1番近いスキー場っていったら、モヤスキー場と八甲田でしょ。小さい頃からスキーやっていたから、当然モヤと八甲田に行くじゃん。子供の頃はモヤのナイター毎日行っていたし。僕ら世代のコッチの人達にとって、八甲田に行く事って、普通の感覚っていうか、他のスキー場も行ったりしたけど、たまたまスノーボード始めたのが八甲田だったんですね。
━━━始めたのは齊藤さんだけだったんですか?
- その頃遊んでいた、友達何人かと一緒にやろうよってやり始めたんだよね。最初始めた年は、八甲田国際スキー場で滑っていたね。国見坂ゲレンデとかも圧雪かかってないじゃん。ツリーとかよりもオープンバーンの、滑りやすい所滑ってたね。
齊藤さんが初めて買ったスノーボード。今でもお店に置いてある。
━━━齊藤さんは八甲田のどんな所が好きなんですか?
- パウダーですね。ハイクしなくても、良いパウダーいっぱい滑れるから。八甲田ってスキー場じゃないじゃん。滑る所はちょっと木が切ってあって、ポール立ってるだけっていう。地形そのままでパウダー滑れて、単純に山が面白いっしょ。なかなか普通のスキー場行っても、ああゆう感じの面白さって無いと思うんで。そこが良いよね。
━━━八甲田の何月がすきですか?
- 僕は、雰囲気的には2月の厳しい感じが好きですよね。吹雪いてて、人を拒んでる感じの八甲田が。(笑)
━━━スノーボード始めて何年くらい経つんですか?
- 22,23年くらい。
━━━それだけいると、八甲田を訪れるスノーボードのプロとか、結構見てるんじゃないですか?
- 今でも有名な人、良く来るよ。でも一番記憶に残っているのはクレイグケリーかな。2回八甲田に、クレイグケリーは来てるんだけど、1回目はアバランチキャンプで来てたよね。バートンが企画して、全国から人が来て、ウチの親父もそれに参加して、俺店番みたいな。(笑)
━━━2回目はいつ来たんですか?
- 2回目は2、3年後くらいに来たんじゃないかな。日本で撮影があって、ついでに八甲田滑りたいって。それで日本のバートンのディーラーさんも、一緒に滑りませんかって募集かけて。僕もそれには参加したよね。その頃ってスプリットボードが流行っていて、参加したほとんどの人がスプリット使っていて、クレイグケリーもスプリットでしたね。ハイクめっちゃ早かった。パッパッて登って、みんな待ってるの暇だから、テレマークみたいに滑り降りて来て、また登って、今度はスノーボードで滑ってみたいな。八甲田を他の人より滑ってましたね。
━━━クレイグケリーも、八甲田来てたんですね。
- はい。
クレイグケリー(左から3人目)と齊藤さん(左から4人目)
━━━ 少し話をかえますが、齊藤さんの冬の一日はどんな感じで進んでいくんですか?
- 基本的に、山に行ける時は午前中に山行って、午後から店あけてって感じですね。本当は12時からオープンなんだけど、山へ行く時は”1時からオープンします”って張り紙して、それとお店のブログにも書いて山に行きますね。それを見て、ウチのお客さんは、今日山へ行ってるんだなってわかる訳。それでお客さんも『俺も行こう』って山であったりする。
━━━齊藤さんいつも山にいますよね。
- いや週に3、4回くらいだよ。月平均10日で、今日も行ったけど、今シーズン46日目だったかな。
━━━山に行った日数、数えてるんですか?
- 数えてるよ。今日はダイレクト1本。カンスイ1本って紙につけてるもん。雪質は書いてないけど、大当たりの日は星マーク書いて。(笑) シーズン40日。ロープウェー200本を目標に滑っていて、今シーズンは、もう40日以上は滑ってますよ。
八甲田乗り場でローカルさんの集い。(齊藤さん右側)
- たぶんありますね。若い子が滑っているスキー場とは、雰囲気違うと思いますよ。あまりそういう所行かないから分からないけどね。(笑) 山に来ている人達の年齢層は高いよね。あそこは来てる人達の目的は一緒じゃないですか。良いパウダー滑りたいっていう。だからスキーヤーもボーダーも仲良いよね。僕もスキーヤーの人と、たまに滑ったりするし。
━━━八甲田に始めて来る人はどうでしょう?あそこの輪に入るのはなかなか難しいですか?
- そんな事ないでしょ。輪に入ってくる人もいますよ。八甲田にきて、やっぱ視界が悪い日に1人で滑るよりは、知っている人と滑る方が良いと思うしね。たまにコースでも遭難する人いるくらいだから。俺らだと視界悪くてポール見えなくても、コッチ行けば大丈夫とか分かるけど、始めての人は分からない訳だから。八甲田は、普通のスキー場とは違うっていう感覚で来ないとダメかな。ほとんど山って感じだからね。地元のローカルに話しかけるとか、パトロールに聞いてみるとかでも良いと思う。
━━━八甲田を滑るには、知らない場所には行かない方が良いと?
━━━最後に、齊藤さんにとって八甲田はどんな場所なのか聞きたいんですけど。
- 今はね、こうゆうお店もやっているから、生活のサイクルかな。冬は特になっているよね。あと、滑っていない人が板の説明しても説得力無いじゃん。3月になったら店も暇になってくるし、店で待っているよりは、山行ってお客さんやローカルと話してた方が良いんだって。半分は営業だね。ウチのお客さん八甲田行っている人ばかりだからね。今のこの状況を崩したくないというか、続けたいですね。
━━━ありがとうございました。
WISH
住所
〒030-0903 青森県青森市栄町2丁目5-17
営業時間
定休日 : 毎週木曜日 営業時間 : 12:00〜20:00
電話 & FAX : 017-742-2212