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初めての谷川岳

大信雄一が引き合わせてくれた谷川岳

 
初めて谷川岳に訪れたのは2005年。YOUNGGUNS FILMでビデオを回していた時に訪れたのがキッカケだった。当時のビデオに出演してくれていたノブ(大信雄一)が谷川岳にいるので撮影に向かうという、自然な流れだった。ただ、ノブから谷川岳は危険な山だという事は十分に聞いていた。八甲田と同様にこの山の作品を自分が制作する事になるとは、この時まったく予想もしていなかった。
 


photo / Hi-see
 
初めての谷川ツリーランの撮影。『下にいるとスラブが落ちてくる』と聞いていたが、ターンをするライダーの後から本当に大量のスラブが落ちていった。そんな事は初めての経験だったし、衝撃的な出来事だった。さらに冬終わりの時期撮影時にとてつもなく大きな音がした。『雪崩だ!早く安全地帯に!』と言う声の中振り返ると、谷川岳に雪崩が発生。その時は雪の重たい時期で、途中で雪崩が止まり事なき終わった。
 
雪崩を頻繁に見る山。危ない山。そのイメージだけが僕の頭には残った。谷川を訪れるたびに、早くこの土地から出たいと思う事がしばしばあった。次の日が晴れ予報の時も、ライダーには申し訳ないけれど『明日晴れなければ良いのに』と思う事もあった。今思うと、その頃の僕には雪山の知識も無ければ、谷川岳を滑る技術も無かった。無知から来る恐怖。何も状況が分からないまま山に入るのはとても危険な事。ローカルが居たからこそ入れたのであって、自分一人では行きたくない山というのが第一印象だった。
 
それでも、YOUNGGUNS FILMが終了した後、年に1回はノブの顔を見にいこうと撮影も兼ねて谷川岳を訪れていた。その頃の僕はパークやストリートレイルの撮影から、山でフリーランの撮影が増えていた。そして少しずつ雪山での知識や経験がついていった。でも、まだ僕の中で谷川岳は恐ろしい山でしか無かった。谷川岳を撮る自信はまだなかった。

製作秘話1
 
初めての谷川岳

 

製作秘話2
 
作品を作ることにした経緯
 
製作秘話3
 
どう撮影したか?
 
製作秘話4
 
1番巨大な斜面
 
製作秘話5
 
選ばれた日
 
製作秘話6
 
作品の構成