最後の年に構成を決める不安との戦い
取りこぼしが無いかと言い聞かせる日々
2014シーズンが始まる時、今年で映像をまとめなければいけないという気持ちで入った。これまで3年間谷川岳を見続けて、大体の冬の流れも分かっていた。ただ、作品の構成だけは全く見えていなかった。八甲田の時はある程度構成が決まっていたので、欲しい映像が頭の中ではっきり分かっていた。今回の作品は雪崩の山で製作するという、発信するにはとても難しい山だ。簡単に、谷川岳でのスノーボードって最高ですよ〜!と絶対に言えない山であるし、自分のビデオを見て、安易にいきたいと思われない事もとても大事だった。
雪山と、ローカルと向き合っていくと、更にどう世の中に出せば良いのだろうととても悩んだ。寝る前に構成の事を考え始めると目が冴えて、練れなくなる事なんてしょっちゅう。今までの映像を見ながら、考えては作り直しの作業をひたすら続けた。それでも、シーズンが終わりに近づいてくる。取り残しの映像はないか?と自分で言い聞かせ、更に考える。
常に不安と行動、思った映像が撮れたときの安堵。どれだけ映像をとりつづけても、あれが足りないな〜とカメラを回し続けた。構成もシーズン終盤になってきたころには、これでいけそうだなと思える所まで出来上がっていた。後は編集をしながらもっとシャープにしていけば大丈夫かなと、思いながらも、それでも不安は消えなかった。